スワミ・メダサーナンダジから、新年のお言葉が届きました。
2016/09/09
ココロヨーガで毎年開催される「サットサンガ」でご講話をいただいている、日本ヴェーダーンタ協会会長のスワミ・メダサーナンダジから、新年のご講話が届きましたのでご紹介します。
ヨギニーとして生きていく指針を、各宗教の教典を紐解きながら、具体的な実践も含め、詳しく語られています。少し長くなりますが、お言葉をしっかり受け止め、実践に繋いでいただければと思います。
「みなさんあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今日は特別に神聖な日です。お正月とタクールの特別な恵みの日、そしてマザーのお誕生日でもあります。このようにカルパタルとマザーのお誕生日が重なったのは初めてかもしれません。」
まずは仏教聖典から「煩悩と業」について。
「人は煩悩によって業を起こし、業によって苦しみを招く。煩悩と業と苦しみの3つの車輪はめぐりめぐって果てしない事。人は仏性があるとはいえ、煩悩があるので悩み苦しみは果てしなく続く」
続いてマタイによる福音書から「求めなさい。そうすれば与えられる。探しなさい。そうすれば見つかる。門をたたきなさい。そうすれば開かれる。誰でも求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。自分がしてほしいと思うことを他の人にもしてあげなさい。狭い門から入りなさい」
そしてラーマクリシュナの福音からは「神を悟るためには全力を尽くして一つの道を進みなさい。また他の人の考えも別な悟りへの道として尊重しなさい。神に近い人は自分の内にバクティを感じている人」
ホーリー・マザーの福音からは「苦行は絶対に必要」
ムハンマドの教えからは「神の創造物はみな家族で、仲間が困ったり苦しんでいる時に手を差し伸べる者は、その者が苦しんでいる時、必ず神は助けてくださる」
それぞれの教えを紹介された後、「お正月というこの特別な日に、神様、絶対の存在、永遠な存在を考えることは大切です。また、ヴェーダーンタの教えは宗教の調和なので、他の宗教の神様や聖者も尊敬することも大切です。」と語りかけられました。
そして「一番大切な富は、お金でも親戚でもなく時間です。
時は流れ、同じ時は二度と戻りません。ですから時間を無駄に過ごさず、よく考えて過ごしてください。そのためには内省が必要です。あなたはなぜ生きていますか?
人生の目的は?毎日の生活は?それらをよくつなげて考えてください。そのために
「1日」を内省の日にするのはとても良いことです。」と、言葉を繋がれます。
去年は何を考えて過ごしましたか?内省し、改めて新年の誓いをたてます。
でも、大きすぎると続かなくてすぐやめてしまうので、できるだけ小さい目標にしてください
例えば
私は毎日10分位瞑想する。
私は毎日15分位アーサナ(運動)をする
私は毎日1回聖典の勉強をする。
私は毎日ご飯を食べる前に神様を思う。
私は毎日お風呂に入るとき神様の名前を10回唱える。
私は毎日運転する前に神様の名前を唱える。
朝起きたら神様の写真を見る
出かけるときにも神様の写真を見る というように、どのように一日を過ごすか考えてください。
そして一日もやめないことが大事です。そうすれば必ず進むことができます。高跳びはできません。
お金を得ることも大切ですが、もっと大切な本当の幸せについて深く考えてください。このように、お正月という特別な日に内省することはとても大切です。
1886年のお正月、タクールは信者たちに特別な恩寵を与え、そしてみんなの願いをかなえました。ですからお正月はとても神聖な日なのです。皆さんも、神聖な願いを集中して、深く信じてタクールに願うと必ず叶います。
マザーは母なる神様の現れです。タクールのように色々な教えを説いたりはしませんでしたが、普通の会話の中に人生の助言がたくさん入っていました。
それはとても短くてわかりやすく、実践的でとても大切な教えです。
みなさんはマザーの最後の教えを知っていますか?
「誰も他人ではなく、みな親戚です。もしあなたが平安・幸せを得たいなら、決して他の人の欠点を探さないで、自分の欠点を見てください」という教えです。
ヴェーダーンタの教えは「すべての人の中に神様を見る」のでこの教えと同じです。
また、「他の人の批判をせず、人の良い性質をみなさい」とも言われました。
ハエにならないでミツバチになりましょう!(ハエにならないでミツバチになる:汚い所にとまるハエにならず、きれいな花にとまるハチという意味。2014年高野山リトリートでの話)私たちはどうしても、心の中で他の人を否定しています。
しかし人の欠点ばかり見ていると、自分の中にもその欠点が入ってしまいます。そして心が狭くなってしまいます。逆に人の良い性質を見ていると、その良い性質も自分の中に入ります。
みなさんはどちらがいいですか?
そして他の人を愛してください。今日この話をきいて早速実践してください。
そしてお正月に、いつもこの言葉を思い出すといいでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■スワミ・メダサーナンダジ
インド・コルコタ(カルカッタ)に生まれ、1979年インド最大の僧団
ラーマクリシュナ・ミッションの出家僧となる。同僧団付属の大学
学長を経て、1993年に日本ヴェーダーンタ協会(神奈川県逗子 市)の長に着任。
ヴェーダーンタ哲学の日本語書籍の出版、逗子での例会、インド大使館での講話、
日本各地での講演などの活動をされいます。